考えさせれらたこと

2025年09月02日 15:26

 市内の、下関西高校ではない公立高校から、今年2月の大学受験一般入試で旧帝国大学医学部医学科に現役合格した人がいます。聞けば、模試では国内最高クラスの医学科でもA判定を取り続けていたそうですが、「実家から遠すぎるのは嫌なので」という理由で進路を選択したとのこと。
なお、暁月塾はこの人に何ら貢献をしておりません(笑)。念のため。
 中学生の頃から非常に優秀だったそうで、本人の才能と努力の賜物であるとは思うのですが、ここでふと、疑問が湧いてきます。
「どうして西高に進学しなかったのだろう?」

 もう1件。
 こちらは私が関わっている、市内の私立高校1年生の生徒さんの話です。7月の進研模試の偏差値が71でした。学年1位。苦手にしている英語でも65ほどありました。まだまだ高校生活は長いけれど、ひとまず良い結果が出て良かったです。
 一方、今の西高生は、1年生7月の段階から全国平均を割ってしまう人が数十人もいるような状況です。

 この2例から今更、「西高のレベルは落ちた」などという、20年以上前から使い古されている結論を導く意図はありません。ただ、一応は市内トップの高校がこのような状況であるのに、どうして他の高校に「快挙」を果たす人が誕生するのだろうという疑問を提示したいのです。
 医学部医学科なんて、西高だと山口大学の推薦で毎年4名程度の現役合格者が出ていますが、他の国公立大学に一般受験で現役合格する人はほぼ0人なのですから。(一昨年が0名で、去年と今年が1名)

 色々考えた末に、上述の両校には「定期テストや宿題の負担が軽い」という共通点があるからではないかという仮説を立てました。学校の負担が比較的軽い(あくまでも、相対的に軽い)ので、自分で目標を立てて日々学習に打ち込める人であれば、西高に行くよりもこれらの高校に行く方が大きな結果を出せるのではないかということです。
 実際、宿題パワハラ(*)で有名な某公立高校からは、「凄いところに合格した!」というニュースは飛び込んできません。

 そういうわけで、「自分でとことん頑張れる人」「実際、1学年に多くとも3人程度だろう」という注釈がつきますが、カリキュラムの厳しい学校に進学して外発的なミッションにペースを乱されるよりも、こうした負担の少ない学校に行く方が、能力を最大限開花出来る人っているんじゃないかなと思ったわけです。

 進路選択の参考になれば幸いですが、レアケースであることは間違い無いので、まあ、アネクドート程度に受け止めてください。でも、何が正解かは人によって異なるということが、昔よりも可視化されている現代社会において、従来の価値観通りの進路選択だけに留まらない方が良いのではないかという主張はしておくことにします。


(*)生物の教科書に掲載されている写真やイラストを20ページ程度、
極力正確に書き写す課題を出す生物教師の存在が典型的な例でしょう。
概略図は許さず、何度もやり直しを要求していました。ようやく他校に
転任となったようですが、それはそれで、新しい赴任先の生徒が気の毒です…

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